転生悪役令嬢だけど、婚約破棄されたのでタイツ屋はじめました
※このネタはタイッツーで開催されたエアイベント「タイコミ2025冬」に出展した、エア企画です。
本当に描(書)く予定はありません(笑)
大体あらすじが解る登場人物・背景設定
メインキャラクター
アンネリーゼ・フォン・リーネル(本作の主人公(「原作」の悪役令嬢)/公爵令嬢)
本作の主人公。金髪碧眼の美少女。16歳。
4歳の時、足を滑らせ階段から転げ落ちた際、頭を打った衝撃で前世を思い出す。
前世は現代(21世紀)の、少女向けファンタジー小説が好きな、平凡な女子大生だった。学業とバイトに明け暮れるていたある日、レポートのため睡眠時間が十分に取れない日々が続き、通学途中のホームでめまいに襲われ、線路に転落し命を落とす。
前世の記憶を思い出し、ここが生前読んでいたゲームブック「聖女の秘密と運命の糸」の悪役令嬢「アンネリーゼ」に転生したことに気づく。
「聖女の秘密と運命の糸」(以下「原作」)では
- 5歳の時に義弟になったアロイスをいじめる
- 6歳で婚約者となったハインツ第一王子に執着するが、王妃教育を真面目に受けない
- 15歳で学園に入学するも、特例で14歳で入学した上、ハインツに目をかけられるヒロインのフィーネに執拗な嫌がらせを繰り返す。
などといった悪行を行い、第一王子の卒業パーティーで婚約破棄および断罪、後に騎士となっていた義弟であるアロイスの手により処刑される。
幸い、前世の記憶を思い出したのはアロイスが養子になる前であり、第一王子との婚約も結ばれていなかったため、「原作」の運命を回避すべく行動を開始。
義弟であるアロイスは「原作」通り5歳のときにリーネル公爵家の養子となったが、元々「原作」での推しキャラだったこともあり、アンネリーゼはアロイスに優しく接し、良好な関係を築くことが出来た(若干想定よりシスコン気味な気はするが……)。
アロイスのことは「ロイ」と愛称で呼んでいる。
第一王子との婚約は、第一王子がわがままで、かつ、「原作」とは違い(または「原作」では深く書かれていなかったのか)馬鹿王子であり、そもそも「原作」でも好きなキャラでもなかったため婚約自体を辞退したかったが(洒落ではない)、相手が王族であるため、こちらの意向が通る筈もなく婚約者となることを避けられなかった。
やむなく卒業パーティーまでに婚約破棄に持ち込むことを目論むが、第一王子はフィーネに熱を上げているにも関わらずうまくいかず、結局卒業パーティーで「婚約破棄の際に処刑を逃れて追放される」ことを目標とすることに。
ヒロインであるフィーネに対しては、学園にいる間接触をしないように、とにかく避けるようにしている。お陰で噂で聞く程度にしかフィーネについての情報を知らず、顔もぼんやりとしか覚えていない程である。
追放された後の身の振り方を考えた際、前世で可愛い靴下やタイツ、特にタイツを集めるのがささやかな趣味であったことを思い出し、そういえばこの世界でもタイツはあるが、技術的なものなのか肌触りや伸縮性、暖かさなどが前世のものとは劣るな……と思い、理想のタイツを作るため、タイツ屋をやろうと思いつく。
タイツならば寒い地域の方が需要があるだろう、と考え、リーネル公爵家の領地で、王都から離れた最北端の街に移り住むことも決め、学園在籍中から少しずつ準備を始める。
結局、卒業パーティーの断罪劇の際には、王家の影の協力もあり、処刑も追放もされず第一王子との婚約破棄の成立で終結したが、「第一王子との婚約が破棄された令嬢」というレッテルがつくことで家名への影響が出ることへの危惧と、「のんびりタイツ屋を営む暮らし」への思いが強くなっていたため、当初の予定通り最北端の領地へ移住する。
ハインツ・フリードリッヒ・シュタイン(アンネリーゼの婚約者/第一王子)
ゲームブック「聖女の秘密と運命の糸」のメイン攻略対象であり、アンネリーゼの婚約者。18歳。
赤毛に近い茶色の髪と明るい茶色の瞳の、整った顔立ちの青年。
勉学を好まず、わがまま、傲慢な「馬鹿王子」。残念ながら見目が良いので、「第一王子
」という肩書もあって憧れる令嬢は多い様子。
第一王子ではあるが立太子していないのはこの性格のせいで、国王も第二王子とどちらを立太子させるか悩んでいる(第二王子は第一王子を反面教師としたため優秀)。
学園では常に「側近」という名の取り巻きである、ヘンリック・フォン・シュヴァルツとオスカー・フォン・ヴァルデック(共に侯爵令息)と共に行動している。
リーネル公爵家との婚約は第一王子の後ろ盾を得る目的であり、アンネリーゼが婚約破棄に持ち込もうとして頑なに拒否されてきたのは、この理由による第一王妃の意向によるものだった。
だが、ハインツ自身はアンネリーゼとの婚約を、当初は受けて入れていたが、成長するに連れて厭うようになっていた。
学園でヒロインであるフィーネと知り合い惹かれていく。フィーネが「聖女」であると知ると、聖女は王族と婚姻するものだという古くからのしきたり故、婚約者がいるにも関わらず人目も憚らずフィーネを寵愛するようになる。
「婚約者」であるアンネリーゼが邪魔になったため、卒業パーティーで断罪を計画する。罪状はフィーネから吹き込まれた「原作」のアンネリーゼの悪事の内容だったが、内容を精査することなく信じ込んでいる。
パーティーにて婚約破棄を言い渡し、断罪し、処刑しようとしたが、アンネリーゼによる反撃(王家の影による証言等)に遭う。しかし、アンネリーゼからの要望もあり、婚約破棄は成立した。
フィーネ・バルテル(「原作」のヒロインであり「聖女」/男爵家の養女)
ゲームブック「聖女の秘密と運命の糸」の主人公。15歳。
光の加減によってピンクがかって見える、ミルクティー色の淡い栗毛に、金色に近い薄茶の瞳の、愛らしい顔立ちの少女である。
ゲームブックの主人公、すなわち読者はフィーネを通して物語を見る形になっていた。なお、「原作」の指す「秘密」とは、「転生者であること」である。
元々は平民の出自であるが、8歳の頃に光魔法が発現したため「聖女」とされ、バルテル男爵家の養女となる。
本来、学園への入学は15歳となっているが、「聖女」であり「貴族社会へ慣れるため」という理由により、特例で14歳で学園に入学することとなった。
アンネリーゼやアロイスとは同学年となる。
「原作」でも「転生者」という設定があった通り、フィーネも転生者である。
アンネリーゼも「原作」通りフィーネは転生者であろうと予測していたが、国や時代が同じとは限らないため、卒業パーティーで対峙した際、慎重に観察していたが、どうやら同じ時代の日本人だったようで、フィーネも「原作」を知っていた。
むしろ、アンネリーゼより「熟知」しており、「シークレットルート」である、いわゆるハーレムルートを狙っていた様子。(ちなみにアンネリーゼは「シークレット」ルートを知らない)
シークレットルートではアロイスも攻略対象となっているため、フィーネはアロイスにもちょっかいをかけようとしていたが、アロイスが「原作」からは外れていたため一蹴された。
この世界においての「聖女」とは、光魔法の使い手のことを指すが、「光魔法」は「治癒魔法」とは異なり、怪我や病気を癒す事はできない(「治癒魔法」使いは「白魔術師」と呼ばれており、医療院などに従事することが一般的)。
「聖女」の役割は王都を護る結界を張ることであり、一日5~7時間(魔力量により個人差あり)、神殿にて魔力を放出することが勤めとなる。
フィーネは学園に通っている間は、神殿での勤めは放課後3時間のみと定められていたが、ハーレムルート狙うためハインツや攻略対象と遊ぶことを優先し、真面目に勤めを果たしていなかったようだ。
卒業パーティーでハインツがアンネリーゼとの婚約破棄が成立した後、ハインツは「聖女」との婚約により立太子するのではないか、と思われていたが、学園を卒業しても定められた聖女の勤めを果たさないフィーネを「偽聖女」と糾弾する声が上がり、王家を謀った罪という名目で、婚約者であるハインツと共に投獄されることになる。
アロイス・フォン・リーネル(アンネリーゼの義弟)
青みがかった黒髪と青い瞳がクールな印像を与える美形。16歳。
同い年だが、アンネリーゼの誕生日が若干早いため「義弟」である。
ノルトマルク辺境伯の三男だったが、幼少の頃実兄(次男)から執拗ないじめを受けていた。ある時池に突き落とされ、危うく命を落としそうになるが、一命をとりとめた。
事態を重く見た辺境伯は、遠縁であり、跡継ぎの男児のいないリーネル公爵家へと養子に出した。
生死をさまよったアロイスは、過去の記憶を忘れてしまっていたが、実兄に殺されかけたなどという記憶はない方が良いだろという大人たちの気遣いにより、回復後すぐにリーネル公爵家へ連れてこられた。
アンネリーゼ、アロイス共に5歳の時のことだった。
なお、「遠縁」ではあるが、「父親の姉の旦那の従兄弟の子」のため、アンネリーゼとの血のつながりはない。
リーネル公爵家へ来た当時、記憶が曖昧だったアロイスは、自分は出自の判らない孤児だと思い込み、公爵家の人々に対して負い目の様なものを感じていたため、養父を「公爵様」、養母を「奥様」と呼んでいた。アンネリーゼに対しても「お嬢様」と呼ぼうとしていたが、アンネリーゼにたしなめられて「姉様」と呼ぶ様になるが、2年も経つ頃には過去の記憶が戻り、自分が養子になった経緯を思い出した。
記憶が戻ってからは養父母 に対しても「父上」「母上」と呼べる様になる。
その頃にはアンネリーゼに秘めた想いを抱く様になっており、姉と呼ぶ事に抵抗を感じる様になるが、その様子を思春期的なものと勘違いしたァンネリーゼに、
「同い年なのだから、無理に姉と呼ばずに名前呼びで良いのよ」
と言われ、以後は人前では「姉さん」、家族のみの場では「リーゼ」と愛称で呼ぶ様になる。
アンネリーゼへの想いを自覚した時には既に、アンネリーゼは第―王子の婚結者となっていたため、自分の想いは悟らせない様にしていたが 、姉第一主義なため周囲からは極度のシスコンと思われている。
王族の器ではない上に、婚約者であるアンネリーゼをないがしろにし続けるハインツに憎悪しており、もしかしたらアンネリーゼ以上に姉との婚約破棄を望んでたかも知れない。
「原作」ではアンネリーゼがお馬鹿だったため、「辺境伯」を「辺境の田舎貴族」と思い込んで虐めたため憎んでおり、アンネリーゼが第一王子に婚約破棄をされ断罪された際、騎士となっていたアロイスの手により処刑された。
姉の護衛騎士になるため学園入学の際には騎士科へ所属する。「原作」通りの未来になることを危惧したアンネリーゼに、何故騎士を目指すのかと問われた際、率直に「リーゼの護衛騎士になるため」だと答えている。
学科が違うため、授業中はアンネリーゼと離れる形となるが、朝、昼休み、放課後はアンネリーゼと共に行動する。姉と友人以外の令嬢に対しては、一貫してそっけなく最低限の対応しかしない。
アンネリーゼが領地へ移住する際、ついていくと言って譲らず、当初は色よい返事をしなかった公爵(父親)が、最終的には折れて許可を得た。
サブキャラクター
ルドルフ・フリードリッヒ・シュタイン(第二王子)
第二王子。17歳。
明るい金髪と明るい茶色の瞳の、優しい雰囲気のある整った顔立ちの青年。ハインツの弟だが母親が違う。
婚約者であるゼツィリア侯爵令嬢とともに、アンネリーゼとは幼い頃から友情を築いている、いわゆる幼馴染である。
アンネリーゼは登城の際、第一王妃が良い顔をしなかったために、表立ってルドルフ王子と交流することが出来なかったのだが、初めて登城した時に庭園で迷ってしまったことがあり、その時にルドルフと出会ったことをきっかけに、登城するたびにゼツィリア嬢やアロイスも交えて交流を深めてきた。
わがままで横暴な兄の姿を反面教師として育ったため、理性的で頭もよく優秀なため、立太子を期待する臣下も多いが、ルドルフ自身は王位に興味はあまりなさそうである。
アンネリーゼにハインツとの婚約破棄を目指すことを相談した際、全面的に協力するとともに、ハインツの行く末を予想し、自分が立太子することになる可能性があることを受け入れた。
アロイスのアンネリーゼへの想いに気づいており密かに応援している。
ゼツィリア・フォン・ヴァルデン(第二王子の婚約者/侯爵令嬢)
ルドルフの婚約者の侯爵令嬢。16歳。
茶色の髪と、黄緑に近い緑の瞳の、大人しそうな印象の少女。
落ち着いた雰囲気のため、大人びて見えるが、年相応な面も持っている。愛情深く、自分にとって大切と思う相手に対しては心を砕くような人。
幼少の頃に第二王子ルドルフの婚約者となる。ルドルフとは仲睦まじく、相思相愛といった様子。
幼い頃に城でアンネリーゼと知り合い、以来一番の親友となる。ゼツィリアの優しさに幾度となく救われている。
アンネリーゼがハインツとの婚約破棄を目指していることを知り、ルドルフと共に協力し支える。無事に婚約破棄が成立した際には自分のことのように喜んでくれた。
アロイスのアンネリーゼへの想いに早くから気づいており、密かに応援している。
エルマ・アーベル(侍女/子爵令嬢)
アンネリーゼの侍女。18歳。
アンネリーゼが14歳の頃、侍女として雇い入れられた。アンネリーゼにとっては、姉のような存在。
アンネリーゼが学園に入学してからは共に学園に通っている。
アンネリーゼが最北部の領地への移住する際、子爵令嬢であるエルマは王都へ残していくつもりでいたが、エルマは頑なについていくことを望んだ。
結局アンネリーゼが根負けして共に移住することになる。
レーナ(メイド/平民)
アンネリーゼの専属メイド。14歳。
アンネリーゼが子供だった頃、孤児となり露頭に迷っていたレーネを拾ってきた。
屋敷の使用人たちに、使用人としての教育を受け、アンネリーゼの専属メイドになった。
使用人として非常に優秀で、特に料理が得意である。
アンネリーゼに多大な恩義を感じており、どこまでも付き従うことを誓っている。当然、北の領地へも共に移住し、掃除や食事面など、大いに助けとなってくれている。
リーネル公爵家のこと
家族構成
- アウグスト・フォン・リーネル(公爵)
- エリザベート・フォン・リーネル(公爵夫人)
- アンネリーゼ・フォン・リーネル(長女)
- アロイス・フォン・リーネル(長男)
- カイロス・フォン・リーネル(次男 6歳)
父親であるアウグストは宰相である。妻のエリザベートはあまり体が強くないため、アンネリーゼを産んだ後、2人目の出産は難しいと医師に告げられていた。いずれ男児の養子を取るつもりでいたところに、アロイスの養子縁組の話が来たため、これも巡り合わせだと思い、養子に迎え入れる事にした。
しかし、アロイスを跡継ぎにするつもりでいたのだが、5年後にエリザベートが第二子を懐妊し、男児が誕生した。
実子の跡継ぎが出来たことにより、アロイスとカイロスのどちらに後を継がせるのかという問題に頭を悩ませることとなったが、それを察したのかアロイスが継承権を放棄。代わりにアンネリーゼが移住を決めた最北端の領地の領主になることを希望したが、最終的な決定は保留となっている。なお、このことをアンネリーゼは知らない。
ゲームブック「聖女の秘密と運命の糸」について
21世紀の日本で、ビデオゲームではなく書籍の「ゲームブック」というレトロな形態であることと、ゲームブックとしても珍しい女性向けゲーム(いわゆる乙女ゲーム)であったことから、物珍しさで話題になり、レトロブームも手伝ってヒット作となった作品。
「現代日本」から転生した平民出自の女の子「フィーネ」に光魔法が発現する。「聖女」として男爵家の養女になり、貴族の子女が通う学園へ入学することになった。そこで出会った第一王子や取り巻きの貴族令息と恋に落ちる…という、よくあるパターンのストーリーだった。
攻略対象はハインツ・フリードリッヒ・シュタイン王子の他、ハインツ王子の取り巻きのヘンリック・フォン・シュヴァルツ(侯爵令息)とオスカー・フォン・ヴァルデック(伯爵令息)の3人。ハインツ王子がいわゆる「メインヒーロー」の立ち位置のキャラクターである。
書籍の構成は、1巻が「共通ルート」、2巻が「個別ルート」となっており、2巻がA・B・Cの3種類に分かれている。読者は自分の進みたいルートの2巻目を購入して読み進めるようになっていた。エンディングはハッピーエンド、バッドエンド、シークレットエンドの3種類。
2巻を3種類揃え、すべてのシークレットエンドを読むと、WEB限定公開されている「シークレットルート」を読むことができるようなっており、シークレットルートはいわゆるハーレムエンドとなっていた(シークレットルートへのアクセスには、3冊それぞれのシークレットエンドの最後に出てくるパスワードをすべて入力する必要があった)。
また、シークレットルートでは、アロイス・フォン・リーネルが攻略対象として追加されている。
なお、ゲームブックの主人公「フィーネ」は、素朴で優しい少女であり、ひたむきに使命に立ち向かう姿が描かれており、「アンネリーゼ」は悪役令嬢として最初にヒロインに立ちはだかる障害であり、共通ルート(1巻)で断罪されてしまうキャラクターとなっている。
アンネリーゼは前世でハインツルートのみしか読んでおらず、シークレットルートの存在を知らずに生涯を終えてしまったが、フィーネはシークレットルートまで読破していたため、ハーレムエンドを目指したようだ。