自由帳

「この本オススメ!」その5:FT編2

ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち (上)
ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち (下)
著:リチャード・アダムズ  訳:神宮 輝夫

日本では「児童文学」の扱いとして刊行されているのだと思うのですが、私の中ではファンタジーという位置付けでインプットされている作品です。
中学の頃、ロイド・アリグザンダーと出会い、同様のファンタジー作品を求めて評論社刊行の書籍(ジャンル的に児童文学)を漁ったのですが、そのときに出会った作品です。
勇気あるうさぎたちの冒険の物語で、映画化もされ、数年前にはNHKでアニメ化もされました。
「うさぎの視線で描かれたうさぎたちの冒険の物語」と書くと、なんだか可愛らしい童話のような世界を連想されるのではないかと思いますが、この物語は違います。
生きるために必死に自分たちの地を求め、勇気をもって立ち向かううさぎたちの物語です。人間による環境破壊への問題提議的なテーマで描かれているのだと思いますが、「仲間」とか「勇気」とか「生きる」こととか、色々と考えさせられる良作ではないかと思います。
私はとても感動しました。

映画も非常に良い作品でした。ずっとDVD化されない…と思ってたのですが、今調べたら昨年ついにDVDが発売されたようですね…!
こ、これは手にいれなければ…っ!!

NHKのアニメはBSの放映だったので私は見ていない(見る環境がなかった)のですが、出来はどうだったんだろうかと、少し気なります。
そーいえば宮田幸季さんも出演されていたような…<結局それかい。



ジャッキー、巨人を退治する!
「ジャッキー、巨人を退治する!」
続編「月のしずくと、ジャッキーと
著:チャールズ デ・リント

現代の、普通の都会に妖精郷が存在する…そんな世界の中で繰り広げられる物語です。主人公のジャッキー(女の子)が元気に活躍して巨人を退治するのですが(1作目)、デ・リントの作品は総じて「ケルト音楽」と密接に関わっていて、ケルト伝承の様に少しミステリアスな雰囲気と、妖精と、幻想的な情景と、音楽を感じる作品だと思います。

デ・リントの作品でもう一つ刊行されているのがこちら
リトル・カントリー (上)
リトル・カントリー (下)

ジャッキーシリーズよりも前に刊行された作品です。こちらも「ケルト音楽」と、そして「ミステリアスな謎解き」。
魔女に小人にされてしまう少女のストーリーと、とある小説家が残した魔法の書を発見した事で事件に巻き込まれていく音楽家の女性ジェーニーのストーリーの二つの物語が進行していきます。
ファンタジーでありつつミステリーを読んでいるようなスリルが味わえる作品です。

デ・リントの作品は本当に面白い!と私は思います。他の作品も是非読んでみたいです。(でも日本で刊行されてるのはこの2作だけみたいなんですよね)


女神の誓い
「女神の誓い」
著:マーセデス ラッキー

著者が描く、<ヴァルデマール年代記>という壮大な世界の物語のうちの一つです。女戦士タルマと、女魔法使いケスリーのエピソードの1作目。
マーセデス・ラッキーのこのシリーズは、女性を主人公として描かれており、女性の視点で、逞しく生き抜く様が描かれています。
その世界は決して華やかでも煌びやかでもなく、戦いの世界であり、光も闇も存在します。
タルマとケスリーの境遇も決して幸福ではなく、どちらかというと酷い過去を背負っていますが、とにかく生き抜く様は逞しい。
ケスリーの持つ魔剣「もとめ」が、このシリーズ中受け継がれていくものの一つとなっています。この「もとめ」、意思を持っていて、女性しか持てず、助けを必要としている女性に反応して、「その女性を助けなければいけない」という誓約?がある、というちょっと厄介な代物。

タルマとケスリーの物語はその後数冊に及び展開されますが、その後はケスリーの子孫たちへと「もとめ」は受け継がれていき、主人公もその女性へと移って行きます。
世界観や世界設定はバリバリのファンタジーですが、ファンタジーと言っても決して甘くない、大人向きのシリーズだと思います。


:odaisanka:
 
カテゴリー:漫筆   2007/05/31   このみ      
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